この記事の読了目安は約 13 分です。
ツアーを利用して、ウルルに行く手段はいくつかある。レンタカーを借りて自分たちで行く手もある。
でもなぜか僕らは、歩いて行ってみようと言う話になった。当然普通の観光客は歩いてなんか行かない。調べたら約24.5kmだそうで、まあ運動をやっていた人にとっては、距離的にそこまで無理な感じはしないと思います。
ただ、日中は気温が45度近くにもなったりする灼熱の道のり。太陽の熱に温められたアスファルトからの熱もプラスされて、確実に僕らの体力を奪い、心をへし折っていった…それでも前に進んだ僕らの結末は。。。
ちなみに僕らは以前にもマチュピチュ村に行くために線路を歩いていきました。だから少し自信はありました。でもあの時とウルルじゃ環境が違いすぎた…
マチュピチュ村に歩いていった時の話↓
南半球の星空に心奪われて
ウルル往復の時間を考慮して、眠い目をこすりながらも、まだ辺りが真っ暗なドSな時間に動き出した。頼るのは音声ナビのないGoogle Mapと昨日仕入れたウルル近辺の地図。道路に街灯なんてない。目の先は真っ暗です。
脱水で死なないように、持てるだけ水分を持って、まるで暗闇に紛れる泥棒さんのように出発した僕らだったが、しょっぱなから道を間違えた( ´Д`)早めに気づいて良かった。
それにしても真夏のウルルといえど、早朝はとても気持ちのいい気候です。早朝というかまだ夜かなw

見てみて!星めっちゃ綺麗じゃない?

そう!?俺の田舎の実家から見る星の方が綺麗だよ
負け惜しみではなく、僕の実家から見える星空の方が綺麗だった。僕の実家は山に近く標高も少し高いです。

でも、明かりがこんなにある中でこれだけ星が見えるんだよ?

確かに。そう言われてみると…
僕らのいたホテルがずっと明かりを灯している。そのことを考えると確かに見えている星が多い。
でもまだその時は、ちょっとすごいなあくらいにしか思ってなかったのだけれど、しばらく歩いてほぼ街の明かりが届かない場所に来た時に、上を見上げて思わず立ち止まってしまった。
今までの人生で見たこともないような、こぼれ落ちそうなくらいたくさんの星が見える。

ああ、こういう時のことを言うんだな!満点の星空って。

ここは南半球だから、日本と見える星が違うんだろうね。

そっか!そーいうこと!?すごいなあ。感動。
こんなにたくさんの星が力強く輝いているのに、カメラを通すと、ほとんど見えなくなってしまう。だから僕は、普段あまり見る事の出来ない南十字星と天の川を目と心に本気で焼き付けようと、瞬きも我慢してずーっと目を開けて見ていた。とは言ってもドライアイなので、10秒も目を開けていられなかった…( ´Д`)
日本で見ている星空と違う、それはとても不思議な感覚でした。この星空、ぜひこのブログを読んでくれている人にも体験してほしい!ほんと素敵だから、仲の良い友達や家族、恋人、一人旅でもいい、見たら絶対感動すると思う。
犯罪が起きてもおかしくない
星も出ているし、目が慣れてきたので、始めよりだいぶ辺りが見えるようにはなってきました。でも、以前太陽が昇る前なので、街灯のない道はほぼ真っ暗闇。
遠くから車のライトがこっちに近づいてくる。ふと思った。こんな遮るものの何もない場所で、もし車に突っ込まれたり、車に乗っている人に何かされても誰にも気づかれない…そんなことを考えていると、急に怖くなった。車が通るたびに、実は少し緊張していた。拳を握りしめ、万が一に備えた。幸い何もなく夜が明けてきたので良かったが、今考えてもちょっと怖い。海外ドラマの見過ぎかもしれないですが…
サンライズに2度目の感動
途中、ウルルまでの有料道路入り口みたいなところがありました。後日レンタカーを借りてそこを通ることになるのですが、僕らは歩きなのでスルー。
まだ暗いけど、ウルルの影が見えるようになった。この時、壮大なその姿を表し始めるウルルに、ゾクゾクした。
当然ですが、たまに車は通るモノの、基本的に僕ら以外誰も歩いていません。トモの顔が怖すぎる…
明るくなり始めると、急速に時間が進む気がします。待ちわびたサンライズ(日の出)。遮るもののない地平線からゆっくりと浮かび上がる太陽は、自然の偉大さと神秘を再確認させてくれました。
偉大な太陽と、壮大なウルルのツーショットが圧巻です。か弱く小さな僕らを守ってくれているようでした。
デス・ロードの始まりは太陽が登ってからだった
もうどのくらい歩いたのだろう。ホテルのLookoutから見たウルルよりもだいぶ姿が大きくなってきた。3時半頃に出発したから、もう4時間くらい経っているのかな。星を立ち止まって見たり、写真を撮ったりしていたからペースはあまり早くないけれど、結構歩いた感はある。途中で分かれ道があり、看板が立っていました。ウルル直進、カタジュタ右。あと何キロか書いてあるといいのになあ。
なんのためのトラックか分からなかったけど、なんか外国っぽくてカッコ良かったので撮ってみました。
しばらくすると、また看板が出てきます。でも基本分かれ道はほとんどないので、迷うことは少ないかなと思います。逆に一度間違えたら、同じ道を引き返さなくちゃいけないかも。
今まで真っ暗な道や、人工物のない目の前のウルルの姿だけを頼りに進んできたので、なんか看板があると落ち着くw現代っ子です♪(´ε` )
太陽が完全に登り、辺りは明るくなってきました。と、同時に一気に気温が上がっていきます。少年のようにカメラを回しながらはしゃいでいた僕らも、だんだん口数が少なくなります。目的地に無事に着くことだけを考えながら体力を温存するようになりました。
暑さと、いつ到着するか分からない不安で、徐々に体力は奪われていきます。一番困ったのは、体にまとわりつくハエです。浅い日が昇る前はほとんど気にならなかったのに、

さだ、背中にめっちゃハエついてるwww

いや、トモもけっこうだぞ!
いつの間にかハエが何匹も体にしがみついていました。あらかじめハエがやばいという情報はあったので、防虫スプレーを撒き散らしました。それでもウルルのハエは生命力が強い!そこまで効いているという実感が湧きません。
体にくっついて大人しくしてくれていれば、まだ運んでやるよという気になるのですが、顔の周りをブンブン飛ばれるとさすがにストレスです。
トモは顔の周りを保護するアイテムを持ってきていて正解でした。僕は大丈夫だろうとナメてました。ビジュアル的にあまりオススメできない代物ですが、ウルルではマストアイテムだなと思いました。これからの記事の中で、トモがつけているたビジュアル的に少し問題のあるハエよけ網を見る機会があると思います。ぜひ笑ってやってください。
情けない僕らは、親指を立てた
南十字星に感動し、ウルルとサンライズのコラボを目の当たりにした僕らの頭に、一つの疑問が浮かび上がった。
「なぜ、歩いているのだろう?」
そもそもウルルまで、バックパッカーっぽく歩いて行ってみたい!軽い気持ちから、あまり考えずに歩いて行くこととなったのだが、思いがけない満点の星空と、しっかりとサンライズを見れたことで、だいぶ心の中は満足していた。
もしかしたら、灼熱の中歩いているのが辛くて、考えが甘くなったのかもしれない。僕らはもう満足していると、言い聞かせたのかもしれない。ゴールしていないのに、別のことで達成感を感じている自分たちに、身を委ねたのかもしれない。
「歩いて行く必要ある?」
あたかも歩いている方がおかしいと言わんばかりの疑問が、僕らの頭を駆け巡った。

もういいんじゃない?星も見れてサンライズも見たからもう満足!
な、何を言っているんだ!二人で歩いて行こうと決めたのに。どちらかというとトモが言い出したのに。と思いながらも、

うん。なんかもうなんで歩いてるのか意味が分からん!
(・Д・)…お前ってやつは!
僕らはよく頑張ったよと、お互い自分たちの信念を途中で曲げたことには一切触れずに、歩く以外でどうやってウルルに行くか考えた。まあこんな砂漠地帯のど真ん中で出来ることは1つだけ。

ヒッチハイクしよう!

ヒッチハイクしよう!
人生初となるヒッチハイクをする為に、親指を立てた!じゃんけんで順番を決めて、1回やってダメなら交代。初めはトモ!家族づれっぽい乗用車。親指を立てたトモの後ろ姿はなんかカッコイイ!でも、、、スルー。
やっぱそう簡単に止まってくれないよなあ…こんな場所にまともな人は歩いてないだろ普通…内心ドキドキしながらも親指を立てた。男前なRV車めがけてガッツポーズする気持ちで!

やっぱダメか…
チカチカチカ…
えっ!!!?通り過ぎたかと思ったRV車が、ハザードを炊いて止まってくれた!まさかっ!

We want to go Uluru!Can you bring to there by your car?
テンション上がってなんとかお願いする!すると、乗れのサイン!
うわまじか!神様!!!僕なら絶対止まらないw

おいっ!!
乗せてくれたオーストラリア人のMark(仮名)は、すごいワイルドな人でした!日本に10年以上前に行ったことがあるみたいです。こんなところを歩くなんて、君たちはクレイジーだよって言っていましたwwいや、ごもっとも!
車で走ること10分ほど、Uluruに到着!人類の文明ってすごい!!心を込めてMarkにありがとうと言い、バイバイしました。
素敵なナイスガイだったなあ。僕らはMarkのおかげで、無事にウルルに来ることができました。
最後まで歩いてゴールすることは出来なかったけど、歩く選択をしたからこそ、早起きして満点の星空が見れて、親友と二人でゆっくりサンライズを見ることが出来た。初めてのヒッチハイクで、ナイスガイに拾ってもらえた!
歩いて行こうとした選択がもたらしてくれた興奮のご褒美でした。とは言っても、途中で投げ出したことには変わりはないので、親身に受け止めたいと思います。
快晴だけど、ウルルには登れない?だから周りだけ散歩したよ
次回はウルルの周りをぐるっと散歩した様子をお伝えします。